訪問看護指示書について

介護保険
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訪問看護を行うにあたっては、主治医から訪問看護の指示を文書で受けることになっています。

無効な訪問看護指示書でないか、ステーションの方でも確認し、不備があれば訂正を依頼する必要があります。

訪問看護指示書の有効期間について

訪問看護費は、主治医の判断に基づいて交付された指示書の有効期間内に訪問看護を行った場合に算定できます。

訪問看護指示書については、それぞれ最大有効期間が定められています。

訪問看護指示書・・・最長6か月まで。

特別訪問看護指示書・・・最長14日間。

ただし、真皮を越える褥瘡、気管カニューレの状態であれば、特別訪問看護指示書を月2回(最長28日間)発行できます。

在宅患者点滴注射指示書・・・最長7間まで。

主治医の変更および退院後の訪問看護指示書

月初に有効期間が1か月間の指示書をもらっているけど、月途中に入院してすぐに退院してきたよ。この場合、もう1回、指示書を出してもらう必要あるのかな?

指示書の有効期間内であれば、そのまま訪問看護を提供できるよ。ただし、入院して利用者の状態が変わった場合や、主治医が変更になった場合は、改めて指示書を発行をお願いする必要があるね。

特別訪問看護指示書の期間中に主治医が変更になった場合

主治医が変更なった場合は、改めて指示書を発行してもらう必要があるってことだったよね?

じゃあさ、介護保険の利用者なんだけど、気管切開で特別訪問看護指示書が毎月2枚発行されているんだけど、2枚目の特別訪問看護指示書の期間中に主治医が変更することになったよ。

この場合、特別訪問看護指示書の期間はどうなるの?

たとえば、1枚目の特別訪問看護指示書の期間が4/1~4/14で、2枚目の特別訪問看護指示書の期間が4/15~4/28で発行されている場合、4/23から主治医が変更になったのなら、4/23以降は介護保険での訪問になるよ。

気管切開があるから、特別訪問看護指示書は最長28日間まで出せるよね?

4/23から主治医が変更したから、まだ6日間は特別訪問看護指示書で訪問できるんじゃないのかな。

まず、通常の訪問看護指示書は、利用者の状態に合わせて何回も発行できる。

ところが、特別訪問看護指示書については、最大でも月2回までしか発行できないことになっている。

そのことは知っているよね?

そして、4/23から新しい主治医に指示書を発行してもらうわけだけど、2回目の特別訪問看護指示書はすでに4/15~で発行されている。

だから、新しい主治医が特別訪問看護指示書を発行してしまうと、3回目になるから、発行できないというわけだ。

ちなみに、変更前の主治医が発行した指示書は、変更後の期間は無効になるよ。

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黄色部分は1回目の特別訪問看護指示書・・・4/1~4/14

オレンジ色部分は2回目の特別訪問看護指示書・・・4/15~4/28

※ 4/23~主治医が変更になったため、前医の出した特別訪問看護指示書は、無効。

訪問看護指示書の発行制限

・指示書を発行できるのは、保険医療機関の主治の医師であり、歯科医師は発行できません。

・精神科訪問看護指示書を発行できるのは、精神科を標榜する医療機関の精神医のみです。

なお、精神科医は、通常の訪問看護指示書、特別訪問看護指示書を交付することができます。

介護老人保健施設、介護医療院の医師も指示書を発行できますが、退院時のみに限られます。

なお、介護老人保健施設、介護医療院の医師は、特別訪問看護指示書を発行できません。

訪問看護指示書の期間が月をまたぐ場合

特別訪問看護指示書で、指示期間が月をまたぐ場合があるけど、どの指示書をどの月の指示書としてカウントするのかな?

指示期間の開始日を基準にカウントするよ。

例えば、1/20~2/2までの特別訪問看護指示(14日間)が出た場合、その特別訪問看護指示書は1月分だよ。

訪問看護指示書のチェック項目

訪問看護指示書のチェックポイント

① 指示書の指示期間は最長6か月までです。超えるものは無効ですから、主治医に期間を確認します。なお、期間の記載がない場合、その指示書の有効期間は指示日から1か月間となります。

② 介護認定を受けている利用者の場合は、主たる傷病名欄の記載内容によって、医療保険(別表7該当)になるのか、介護保険になるのかが決まります。

  • パーキンソン病で医療保険になる場合は、ヤールステージ3以上、生活機能分類Ⅱ度以上またはⅢ度などと病名欄、病状・治療状態欄などに記載されている必要があります。
  • 癌で医療保険になる場合(別表7該当となる場合)は、病名欄、病状・治療状態欄などに「末期、予後、ターミナル」などの文言が記載されている必要があります。

③ 真皮を越える褥瘡であるとして、特別管理加算を算定する場合、深度の記載が必要です。

特別訪問看護指示書を月2回発行してもらう場合にも、記載が必要です。

 医療機器欄は、医療機器の管理について主治医の指示が出ているかどうかを確認するものです。特別管理加算を算定する場合で、該当する医療機器がある場合には、チェックをつけてもらうようにします。

⑤ 理学療法士等による訪問看護を行う場合には、リハビリテーションの欄に頻度や内容の指示を記載してもらうことになっています。

⑥ 複数のステーションが入る場合、1か所でしか算定できない加算がありますので、算定する加算の算定要件を確認する必要があります。

指示書の他の訪問看護ステーションへの指示の欄を確認します。

⑦ 指示日は指示有効期間の開始日以前である必要があります。遡って指示が出ている場合は不適切となります。日付を間違っていないか、確認してください。

⑧ 指示書は必ず原本をいただく必要があります。捺印がないもの、コピーの場合は、後日、原本を頂戴してください。

特別訪問看護指示書や点滴注射指示書、精神科訪問看護指示書などはどうなの?

どれも基本的にチェックする項目は同じだよ。

点滴注射指示なら有効期間は最長7日間だし、特別訪問看護指示書なら最長14日間だね。最長期間を越えていないかとか、チェックするよね。

精神科訪問看護指示書なら、複数名訪問や複数回訪問、短時間訪問の必要性などの欄に指示があるかどうかもチェックするよね。これらは加算等の算定要件になっているから、要注意だね。

Q&A

Q&A
Q
訪問看護指示料について、訪問看護指示書の様式は、訪問看護ステーションが準備するのか。
A

訪問看護指示書は、医師の診察に基づき、医師の責任において交付するものであるため、医師の所属する医療機関が準備し、その交付についても医療機関の責任において行うものである。

Q
精神科訪問看護指示書の交付により、精神科以外の診療所に外来通院中の精神疾患を有する患者に対して訪問を行うことはできるのか。
A

精神科以外の疾患については、その担当科の医師から診療情報の提供を受け、それを踏まえて精神科医が、訪問看護の必要性があると判断し、精神科訪問看護指示書を交付した場合は、可能である。

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